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現代日本の会社法の時代的変遷

2020年08月31日 13:41

顧問先に大正8年11月11日(西暦1919年)会社設立の会社があります。
戦後まもなくの昭和20年設立の顧問先は何社かありますが、大正時代設立はかなり古い
会社となります。
50年前学生時代の経営学で「企業の社会的責任」とは、死語に近かったのが、今ではCSR
(Corporate Social Responsibility)と、日常生活に普通に話題になる時代です。
今日では、SDGs(Sustainable Development Goals)と「持続可能な開発目標」と普通に話題と
なります。
昨日も、上場企業を目指して頑張りますという、若手の代表と会いましたが、そんなことから
会社法の変遷を考えていました。ただ、上場はコンプライアンス、株主持分割合、収益等と
かなり利益を上げて、金融商品取引法の遵守等と簡単ではないが、その上場時はお手伝い
しますと話しました。
現在は所得税の累進課税回避のため、税金軽減対策のため、同族会社として法人成りとし
て会社設立するケースがほとんどです。また、法人格としての社会的信用もあります。
会社法は、同族会社の取締役の方に話すのは、基本的には取締役等を保護するための
法律でなく、株主及び債権者等のステークホルダーを保護するための法律であると。
昔は民法33条の会社法に則り、社団法人、公益法人、協同組合、医療法人、宗教法人等は、
定款作成して法人設立を行っていました。
現在は、特例民法法人として旧民法第34条法人から新制度への移行されている。
この民法の特別法として、明治32年(1899年)商法が制定され、商法の特別法として昭和15年
1月1日有限会社法が制定・施行されました。現在は、商法、有限会社法の改正が平成26年の
会社法と変遷されました。

世界最古の法人化の基本はソキエタス(societas)、コンメンダ(commenda)※1の融合形態が
合資会社・合名会社とよぶ企業形態とほぼ同一のもと考えられますが、法制的には1573年
コルペールの編纂(へんさん)したフランス法典に初めて現れ、この思想が日本に現在も生き
ている。この思想が日本に現在も生きている。
株式会社の起源は1602年設立のオランダ東インド会社であるとされている。
日本では、最初の株式会社の設立は、福沢諭吉のアドバイスにより、丸屋商会(現在の丸善・
丸屋善七)とされている。その後国立銀行が渋沢栄一らにより株式会社として銀行業務が
発足することとなる。因みに三越は三井と越後屋の合併から成り立った会社ですが、株式会社
としての発足は、1904年(明治37年)である。
日本においては明治23年(1890年)にお雇い外国人としてフランスのボアソナード教授を招聘し、
明治31年(1898年)民法が施行される。
民法の特別法として翌年明治32年(1899年)ドイツのロエステル教授が中心となり、ドイツ、
フランスなどの大陸法系としての立法例に比する商法が施行され、令和2年で111年目となる。
その後日本の商法は経済法として経済構造の変化の時代の流れとともに何回も商法の改正
か行われ変遷して、平成26年施行の現在の会社法となります。
本来会社法は、「所有と経営の分離」が基本思想であるので、出資者としての株主と経営者が
前提で法が作られているので、分配(=配当)、資本金という概念のもとに複式簿記※2が誕生
することとなる。
簿記は英語ではBOOK KEEPINGですが、簿記と訳したのは、福沢諭吉とされている。
簿記・算盤もわからず、職業会計人になるとした、未公認会計士の私が怖い。



※1ソキエタス、コンメンダ
合名会社の起源である中世ヨーロッパの内陸商業都市を中心に発生したソキエタスとい
う共同企業に求められ、合資会社は中世イタリアのヴェネツィアやジェノバといった海岸
商業都市において発展したコンメンダという商業利潤の共同分配を条件として、一方の
当事者である資本家が貨幣または商品を相当方たる商業活動の担当者に委託し処分
させる行為または制度。
このソキエタス、コンメンダに関する最古の法規が1063年イタリアのツラニの法令である
が、このときより所有と経営の分離による出資者としての株主と経営者が前提で法が作
られている。

※2複式簿記
1494年ルカ・パチョーリ(イタリアの数学者)が考えたとされている。
総勘定元帳の締め切り時、赤い色の罫線で行なうのは、その当時経理担当者の潔癖・
公正・真実等を示すため自分の血を用いたことに由来している。
日本の商業学校の校章に蛇か表されるのも、中世イタリアでは蛇は商業の神様である
ので、模倣したものである。
因みに、家計簿、国家予算は単式簿記です。

令和2年8月30日
                                              小関勝紀
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