2021年03月30日 17:26
先日、クライアントの決算打合せに行った事務所の壁に「社是」
として「三方よし」と書かれた色紙の額縁があり、懐かしくて偉そ
うに、この意味を説明しました。
「三方よし」とは、近江商人の経営哲学の一つですが、多くの企業が
社是としていますが採用しています。
「三方よし」は、「売り手よし、買い手よし、世間よし」という考え方です。
同時に対比されるのが、「魂の商人」と言われる、ビジネスの極意と
人生の知恵として、富への道を説いた280年前江戸時代の前中期の
学者・思想家の石田梅岩がいます。
「石門心学」として全国に広がり時代を超えて通用する倫理観として、
現代の「CSR(企業の社会的責任)」の概念を既に持ち、「三方よし」
と並んで日本的経営の原点として生きています。
1970年代頃からの環境問題への意識の高まりや、企業の不祥事が
続く中、CSRという本質的な精神を表現した石田梅岩の思想は、
近江商人の「三方よし」の思想と並んで、「日本のCSRの原点」と
して脚光を浴びている。
石田梅岩は、学んで商人の道を知れば、貪欲な心はなくなり、仁の
心で仕事を努めるようになり、道を外れることなく栄えるのである。
これが商売と道徳を融合すれば、商人の学問の徳であると説いて
います。
また三徳として、「正直」「倹約」「勤勉」という価値観を定説として、
現代の日本人に生きているとされている。要約すると
1.正直こそが、富をもたらす
2.勤勉こそが、安らぎをもたらす
3.倹約こそが、平和をもたらす
4.自立してこそ、強みを生かせる
5.天地自然に即して生きる
6.百年企業が、日本を強くする
勿論、経営学者のピーター・ドラッカーは企業の社会的責任について
論じた歴史的人物の中で、今NHK放映の大河ドラマの「青天を衝く」の
モデルの、かの明治を築いた偉大な人物の一人である渋沢栄一は、
世界的な業績であると言っている。
渋沢栄一のバックボーンとなった理念に、「道徳経済合一説」とあり、
企業の目的が利潤の追求にあるとしても、根底には道徳が必要であり、
国、人類全体の繁栄に対して責任を持たなければならないという説です。
渋沢栄一の夢七訓
夢なき者は理想なし、理想なき者は信念なし、信念なき者は計画なし、
計画なき者は実行なし、実行なき者は成果なし、成果なき者は幸福なし、
故に幸福を求むる者は夢なかるべからず。
渋沢栄一の名言
1.もうこれで満足だという時は、すなわち衰える時である。―衰える
2.人は全て自主独立すべきものである。自立の精神は人への思いやり
と共に 人生の根本をなすものである。―自主独立
3.商売をする上で重要なのは、競争しながらでも道徳を守るという
ことだ。 ―道徳
4.全て形式に流れると精神が乏しくなる。何でも日々新たにという
心がけが大事である。 ―精神
5.どんなに勉強し、勤勉であっても、上手くいかないこともある。
これは機がまだ熟していないからであるから、ますます自らを鼓舞して
耐えなければならない。―勤勉
6.ただそれを知っただけでは、上手くいかない。好きになればその道に
向かって進む。もしそれを心から楽しむことが出来れば、いかなる
困難にも くじけることなく進むことができるのだ。―困難
7.できるだけ多くの人に、できるだけ多くの幸福を与えるように行動
するのが、我々の義務である。―幸福
8.信用はそれが大きければ大きいほど、大いなる資本を活用する
ことができる。世に立ち、大いに活動せんとする人は、資本を造る
よりも、まず信用の厚い人たるべく心掛けなくてはならない。―資本
9.そもそも多様は聖人の本色でないとしても、多能なるくらい種々の
経験ある人にあらざれば真正の聖人となり得ざるべしー経験
10.一人ひとりに天の使命があり、その天命を楽しんで生きることが、
処世上の第一要件である。―天命
11.人は死ぬまで同じ事をするものでない。理想にしたがって生きる
のが素晴らしいのだ。 ―理想
12.事業には信用が第一である。世間の信用をえるには、世間を信用
することだ。個人も同じである。自分が相手を疑いながら、自分を
信用せよとは虫のいい話だ。―信用
でも渋沢栄一の言葉で一番気に入っているのは
四十、五十は洟垂れ(はなたれ)小僧
六十、七十は働き盛り
九十になって迎えに来たら
百まで待てと追い返せ
いま、公正証書遺言による遺言執行者としての仕事と相続税申告書の
提出の仕事が終わりましたが、相手は後妻業ビジネスを目的にした
遺留分減殺請求事件がありましたが、裁判も終わり、後妻業ビジネス
という言葉が気になって仕方ない昨今なので、今回のテーマにしました
が、商業道徳の話になってしまいました。
後妻業ビジネス、貧困ビジネス、水ビジネス、葬儀ビジネス、宅配ビジネス、
と商業ビジネスは多様化して色々ありますが、人の弱みに付け込む
ような商業道徳を逸脱した悪質なビジネスも沢山あります。
Businessは略してBIZとも言う。Busyとは、Businessが語源とも言われ
ている。
英文の商取引契約書には、「Business integrity(ビジネス インテグリテイ)」に、
則りという文言がはいります。
誠実な取引に則りという意味ですが、インテグリティでないビジネスには
とかく揉め事が多い昨今です。
仕事柄、どのようなビジネス・商売が儲かりますかと質問される事が多い
ので、いつも面倒くさいので「人の不幸」をビジネス・商売にすると儲かり
ますと答える。
人の不幸のビジネスとは、例として医者・僧侶・弁護士ですと答えるが、
勿論不幸にならないために事前に解決すれば、不幸とはなりません。
「儲かる」と卑しい言葉に思えるが、儲からなければ会社は企業維持
できません。
儲かる人は、「儲」の漢字をバラしてニンベンの人、人の言う事、信じる
者は儲かりますと言われます。
商いの語源は、商売の事を云う「商い(あきない)」は、古来の形として
物々交換であるが、農民のあいだで、米などの収穫物や織物を交換する
商業が秋に行われたことから、「秋なふ」になったとう説があります。
春夏秋冬でなく「春夏冬・あきない」という店の名前がありますが、秋が
ない(飽きない)という語呂合わせにより、名付けられている店がありま
した。
江戸時代は、身分制度に「士農工商」といわれるように「商人」は身分が
低い存在でした。
でも、武士は商人に頭を下げる時代に変遷する事となりました。
道徳・モラルは、「道」とは人が従うべきルールのことであり、「徳」
とはそのレールを守ることができる状態をいうと言われています。
今回はあまりモラルを強要すると、モラルハラスメント(モラハラ)となり
ますのでこれで終わります。
令和3年3月31日
小関勝紀
として「三方よし」と書かれた色紙の額縁があり、懐かしくて偉そ
うに、この意味を説明しました。
「三方よし」とは、近江商人の経営哲学の一つですが、多くの企業が
社是としていますが採用しています。
「三方よし」は、「売り手よし、買い手よし、世間よし」という考え方です。
同時に対比されるのが、「魂の商人」と言われる、ビジネスの極意と
人生の知恵として、富への道を説いた280年前江戸時代の前中期の
学者・思想家の石田梅岩がいます。
「石門心学」として全国に広がり時代を超えて通用する倫理観として、
現代の「CSR(企業の社会的責任)」の概念を既に持ち、「三方よし」
と並んで日本的経営の原点として生きています。
1970年代頃からの環境問題への意識の高まりや、企業の不祥事が
続く中、CSRという本質的な精神を表現した石田梅岩の思想は、
近江商人の「三方よし」の思想と並んで、「日本のCSRの原点」と
して脚光を浴びている。
石田梅岩は、学んで商人の道を知れば、貪欲な心はなくなり、仁の
心で仕事を努めるようになり、道を外れることなく栄えるのである。
これが商売と道徳を融合すれば、商人の学問の徳であると説いて
います。
また三徳として、「正直」「倹約」「勤勉」という価値観を定説として、
現代の日本人に生きているとされている。要約すると
1.正直こそが、富をもたらす
2.勤勉こそが、安らぎをもたらす
3.倹約こそが、平和をもたらす
4.自立してこそ、強みを生かせる
5.天地自然に即して生きる
6.百年企業が、日本を強くする
勿論、経営学者のピーター・ドラッカーは企業の社会的責任について
論じた歴史的人物の中で、今NHK放映の大河ドラマの「青天を衝く」の
モデルの、かの明治を築いた偉大な人物の一人である渋沢栄一は、
世界的な業績であると言っている。
渋沢栄一のバックボーンとなった理念に、「道徳経済合一説」とあり、
企業の目的が利潤の追求にあるとしても、根底には道徳が必要であり、
国、人類全体の繁栄に対して責任を持たなければならないという説です。
渋沢栄一の夢七訓
夢なき者は理想なし、理想なき者は信念なし、信念なき者は計画なし、
計画なき者は実行なし、実行なき者は成果なし、成果なき者は幸福なし、
故に幸福を求むる者は夢なかるべからず。
渋沢栄一の名言
1.もうこれで満足だという時は、すなわち衰える時である。―衰える
2.人は全て自主独立すべきものである。自立の精神は人への思いやり
と共に 人生の根本をなすものである。―自主独立
3.商売をする上で重要なのは、競争しながらでも道徳を守るという
ことだ。 ―道徳
4.全て形式に流れると精神が乏しくなる。何でも日々新たにという
心がけが大事である。 ―精神
5.どんなに勉強し、勤勉であっても、上手くいかないこともある。
これは機がまだ熟していないからであるから、ますます自らを鼓舞して
耐えなければならない。―勤勉
6.ただそれを知っただけでは、上手くいかない。好きになればその道に
向かって進む。もしそれを心から楽しむことが出来れば、いかなる
困難にも くじけることなく進むことができるのだ。―困難
7.できるだけ多くの人に、できるだけ多くの幸福を与えるように行動
するのが、我々の義務である。―幸福
8.信用はそれが大きければ大きいほど、大いなる資本を活用する
ことができる。世に立ち、大いに活動せんとする人は、資本を造る
よりも、まず信用の厚い人たるべく心掛けなくてはならない。―資本
9.そもそも多様は聖人の本色でないとしても、多能なるくらい種々の
経験ある人にあらざれば真正の聖人となり得ざるべしー経験
10.一人ひとりに天の使命があり、その天命を楽しんで生きることが、
処世上の第一要件である。―天命
11.人は死ぬまで同じ事をするものでない。理想にしたがって生きる
のが素晴らしいのだ。 ―理想
12.事業には信用が第一である。世間の信用をえるには、世間を信用
することだ。個人も同じである。自分が相手を疑いながら、自分を
信用せよとは虫のいい話だ。―信用
でも渋沢栄一の言葉で一番気に入っているのは
四十、五十は洟垂れ(はなたれ)小僧
六十、七十は働き盛り
九十になって迎えに来たら
百まで待てと追い返せ
いま、公正証書遺言による遺言執行者としての仕事と相続税申告書の
提出の仕事が終わりましたが、相手は後妻業ビジネスを目的にした
遺留分減殺請求事件がありましたが、裁判も終わり、後妻業ビジネス
という言葉が気になって仕方ない昨今なので、今回のテーマにしました
が、商業道徳の話になってしまいました。
後妻業ビジネス、貧困ビジネス、水ビジネス、葬儀ビジネス、宅配ビジネス、
と商業ビジネスは多様化して色々ありますが、人の弱みに付け込む
ような商業道徳を逸脱した悪質なビジネスも沢山あります。
Businessは略してBIZとも言う。Busyとは、Businessが語源とも言われ
ている。
英文の商取引契約書には、「Business integrity(ビジネス インテグリテイ)」に、
則りという文言がはいります。
誠実な取引に則りという意味ですが、インテグリティでないビジネスには
とかく揉め事が多い昨今です。
仕事柄、どのようなビジネス・商売が儲かりますかと質問される事が多い
ので、いつも面倒くさいので「人の不幸」をビジネス・商売にすると儲かり
ますと答える。
人の不幸のビジネスとは、例として医者・僧侶・弁護士ですと答えるが、
勿論不幸にならないために事前に解決すれば、不幸とはなりません。
「儲かる」と卑しい言葉に思えるが、儲からなければ会社は企業維持
できません。
儲かる人は、「儲」の漢字をバラしてニンベンの人、人の言う事、信じる
者は儲かりますと言われます。
商いの語源は、商売の事を云う「商い(あきない)」は、古来の形として
物々交換であるが、農民のあいだで、米などの収穫物や織物を交換する
商業が秋に行われたことから、「秋なふ」になったとう説があります。
春夏秋冬でなく「春夏冬・あきない」という店の名前がありますが、秋が
ない(飽きない)という語呂合わせにより、名付けられている店がありま
した。
江戸時代は、身分制度に「士農工商」といわれるように「商人」は身分が
低い存在でした。
でも、武士は商人に頭を下げる時代に変遷する事となりました。
道徳・モラルは、「道」とは人が従うべきルールのことであり、「徳」
とはそのレールを守ることができる状態をいうと言われています。
今回はあまりモラルを強要すると、モラルハラスメント(モラハラ)となり
ますのでこれで終わります。
令和3年3月31日
小関勝紀
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